Q.水彩紙ってどんな種類があるの?
よく聞くワトソン、アルシュ、などは全てメーカーさんのお名前です。
水彩紙とはその名の通り水彩画に適した紙で、表面に凹凸の加工がなされています。
絵具の伸びが良く、綺麗に発色し、水でぼかすことが容易です。
紙の種類により異なりますが、画用紙のように何かがポロポロ…ということもないと思います。
では、水彩紙の3分類についてお話しましょう。
これは主に“紙の目”によって分けられます。紙の目とは紙面の凹凸加工の事です。
○細目(ホットプレスとも言われる)
紙面の凹凸が細かく、精密な描画に向いていると思います。私の絵も8割方、細目の水彩紙が使われています。
また、細目は水を吸い込みやすいので筆のタッチが残りやすくなります。
水彩絵具だけでなく、鉛筆画やアクリル画にも使えるでしょう。
なぜ“ホットプレス”と呼ばれるか、その由来ですが、実は水彩紙の製法に関係があります。
生成する際に熱を加えたローラーを通すため、というのが由来のようです。
○中目(コールドプレス)
紙の目の粗さは、細目と荒目の中間くらい。
水の吸い込みもほどほどで、初心者の方に適しているでしょう。
生成の際、細目と違って熱を通さないローラーを使用するため、コールドプレスと呼ばれるようです。
○荒目(ラフ)
凹凸が荒く、滲みやすい紙です。
紙の質感などを表現したいときや、滲み、ぼかしを使った絵を書きたいときにお使いいただけるでしょう。
水の吸い込みもあまりなく、長い時間水が残っている印象です。
私の絵も紙の質感を残したいので、最近では荒目を使うことが多くなってきています。
当サイトでは絵と一緒に使用画材も記してしますので、ぜひ、細目と荒目ではどのように紙の目が出ているか、ご覧になってみて下さい。
次に、メーカーさん別の紙の特徴についてお話したいと思います。
○アルシュ
高価です。最高級水彩紙。
でもその分、紙も強くにじみやグラデーションなど全ての技法が試せるでしょう。
水のはじきが強いので、その点は好き嫌いが分かれるかもしれません。
○クラシコファブリアーノ
アルシュより細やかで、精密描写に向いているでしょう。紙も白く綺麗です。
ですがこちらもアルシュ同様にお高い…
荒目のような綺麗なぼかしはできませんでした。本当に上手な方なら別なのかもしれませんが、私には少々扱いづらかったです。
○コットマン
初心者の方に一番お勧めしています。
紙面も白く、発色が綺麗です。
水彩、カラーインクなどに適しており、かつ、安価で失敗もできるお値段というお気楽な紙です。
マスキングには向きませんでした。紙が一緒にはがれてきます…
○ワトソン
よく聞く、おなじみワトソン紙。
ワトソン紙には2種類あり、ひとつはクリーム色がかっている紙です。
もう一つは、純白のホワイトワトソンと言われる紙。
どちらも色以外には異なる点はありませんので、作風によってお好きな方を選ばれるとよいでしょう。
大変綺麗に発色し、紙の地肌を残すこともできます。水彩・カラーインクに適していると思われます。
値段は安くて手頃なのですが、高級水彩紙です。こちらもおすすめ。
○ワットマン
レポートパッドのように綴じられた安めの水彩紙です。
少々薄いのが難点ですが、私が最も使っているのはこれです。
紙は純白と言うよりも、クリーム色がかっています。
水の吸い込みが比較的早めですが、絵具や鉛筆を重ねまくる私の画風にも耐えてくれる紙です。
マスキングには注意が必要ですが、出来ないことはありません。
色鉛筆には少々物足りない印象を受けますが、荒目でしたら綺麗に紙の地肌を表現できるでしょう。
余談ですが、水彩紙にはメーカーによって裏表があります。
例えばワトソン紙では、透かして見て紙の端に「watson」と書かれている方が表です。
ワットマンは表と裏では紙の凹凸が随分違いますので、触ってみればわかると思います。
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