Q.紙はどんなものを選ぶべき?



紙の選別は、使用する画材によって大きく異なります。
今回は、一つ一つの紙についてお話したいと思います。


●コピー用紙
薄くて安価な紙ですね。エスキースに最適だと思います。
ただ、値段が安い分、紙は薄く、長期保存は望めません。
コピー用紙で作品を仕上げるプロの方はほぼ居ないでしょう。

色鉛筆や鉛筆の発色は綺麗で、トレス台などを使わずに下書きを模写出来る点は優れているのですが…
コピックなどの場合も、下に色が染みるので新聞などを敷くことをお勧めします。


●漫画用原稿用紙
プロの漫画家の多くが愛用している紙です。
紙に薄く青い枠が印刷されています。この青い枠は印刷には反映されないため、コマ割りなどが必要な漫画では大変便利なものです。

描き味ですが、尖ったつけペンを使ってもあまり引っかかりません。
つけペン以外の画材ではコピック・カラーインクなどが適していると思われます。


●ケント紙
コピー用紙が厚くなったような紙。
紙の表面に凹凸はなく、さらさらしています。

値段もお安めです。
向いているのは鉛筆やボールペン、つけペンを使うモノクロイラスト。アクリルガッシュ。色鉛筆。


●イラストレーションボード
紙とボードが一体になったもの。
分かりやすく言うと、絵を描くのに特化した厚紙だと思います。
厚さもまちまちで、手で曲げられてしまうものから、曲げようとすると折れる厚さのものまで用意されています。

イラストレーションボードにも以下の種類があります。

○ケントボード
ケント紙＋厚いボード。

色彩構成の課題の時によく使いました。
用途はモノクロイラスト(鉛筆、ボールペンなど)、アクリルガッシュ
水彩も使えないことはないのですが、上で書いた通りケント紙は水彩画には適しません。
水張りの手間が省けることが利点ですが、その際は次の「水彩ボード」を使って下さい。

○水彩ボード
水彩紙＋厚いボード。

こちらも厚さを好みによって選ぶことができます。
水彩紙ですので、紙面に凹凸があり、水彩画や色鉛筆、水彩色鉛筆、パステル、カラーインクが適していると思われます。
アクリル絵具も適しているのですが、ケントボードに比べると若干値段が高くなりますので、それよりはケントボードの良い物を買った方がいいと考えています。

○カラーボード
色紙＋厚いボード。

簡単に言えば色紙が厚くなったもので、黒、黄色、赤、青などの、カラーがそろっています。
不透明水彩のアクリルを使えば、下地を生かしながら今までとは違った味のある絵になるでしょう。


●画用紙
全国の学校で美術教育に使われる国民的な紙です(笑)。
鉛筆、水彩、アクリルなど様々な場面で使えます。値段もお安く、紙も白いので綺麗です。

紙面には多少の凹凸がありますが、水彩紙には劣ります。
また、水を乗せ過ぎたり、書き込みすぎたりすると紙がはがれてきます…
小学校の図工の時間に、間違えて何度もティッシュで拭いていたら、紙からポロポロ何かが出てきたのは私だけではない…はずです…








←戻る